概要
家庭用、業務用のポリエチレン製ゴミ袋、食品保存袋などを製造・販売し、国内トップクラスのシェアを誇る伊藤忠グループ企業、日本サニパック株式会社(以下、日本サニパック)。
組織横断的なDX(デジタルトランスフォーメーション)プロジェクトを推進中の同社は、納品書および請求書の名寄せと封入封かん業務をピツニーボウズ「Relay®4500」と「OL ® Connect」により自動化。
基幹システムであるIBMi(AS/400)ワークフロー改革で業務効率を向上すると共に、コロナ禍での事業継続にも大きな成果を実現しました。
ビジネスニーズ
1970年の創業から一貫して家庭用および業務用のポリエチレン製ゴミ袋、食品保存袋、水切り袋などの製造・販売を行い、国内トップクラスのシェアを誇る日本サニパック。業界では数少ない自社工場による一貫した生産体制が特長で、インドネシア工場では日本品質の徹底した管理のもと、高品質製品の製造が行われています。
同社は多品種・低単価の取扱い商品特性に加え、売上拡大に比例して納品書や請求書など帳票量も増加。宇野氏は従来の課題を、次のように話します。
「十数年前から大口のお客さまとはEDIを用いる、消費者向けの販売では卸売企業とデータ連携を行うなどして紙帳票の削減に努めて来ましたが、それでも小規模事業者向け業務用商品関連の納品書約8,000枚、請求書約3,000枚が毎月発生します。毎月末や年末、年度末などの繁忙期には10名ほどの業務スタッフでは追い付かず、営業部スタッフの手も借りて対応しており、人手の業務負荷および誤封入リスク軽減のための自動化の仕組みを求めていました。」
解決
日本サニパックでは今回、封入封かん機「Relay®4500」と併せて処理プロセスの自動化ソフトウェア「OL ® Connect」を導入。2020年9月から運用が開始されました。その後、機器のトラブルや封入ミスなどもなく、順調に利用されています。
同社の基幹システムであるIBMi(AS/400)は、帳票印刷のために専用ラインプリンタと専用紙が必要。帳票のPDF化とカット紙出力のためのUT/400を導入しても、出力には人手による作業が残ります。宇野氏はこの課題を解決するため「OL ® Connect」の導入を決意したと語ります。「製造業では月次の請求書に加えて、日々の納品書の件数が膨大です。この業務をなんとか自動化したいと考え、RPA活用なども検討しましたが、うまくいきませんでした。OL ® Connectを選んだ理由は、IBMi(UT/400)からサーバにスプールされた帳票PDFデータを設定時間ごとに自動で取得、さらには汎用の複合機でプリントアウトまでのワークフローを、人手を介さず自動化できる点です。この組み合わせは、まさに我々が求めていたソリューションでした。」
SCMグループ デジタルトランスフォーメーション推進部 情報システム課 課長代行の小手川勝己氏は「今回のOL ® ConnectとRelay®4500の導入により、大型・高額なIBMi(AS/400)専用プリンタおよび複写式の専用帳票用紙が不要となり、オフィススペースと専門用紙および保守コストも削減されました。」と語ります。
導入効果
複数の納品書や請求書を顧客ごとに名寄せして封かんする作業は、これまで人手で行われていました。SCMグループ デジタルトランスフォーメーション推進部 情報システム課 鈴木大介氏は「年間1,496時間かかっていた帳票周りの業務が、およそ60時間に削減されました。OL ® Connectでバーコード入りの帳票を出力し、Relay®4500で名寄せから封入封かんまでを自動で行えるようになり、ものの数分で完了します。繁忙期も営業部員のヘルプも不要で残業もなくなり、チラシなどの同封にも活用できるなど、体感での業務効率化効果はさらに高いものがあります。」と話します。
このソリューションは、コロナ禍でのテレワークにおいても効果的と宇野氏は語ります。「新型コロナウィルス感染拡大を受けて、当社もテレワークを推進しています。今回の自動化により帳票の作成および印刷指示は在宅からリモートで、封入封かんと発送業務はその日、出社しているわずかな人員だけで他の業務を行いながら負荷なく行える。これは事業継続の観点からも、大きな 成 果です 。」
※IBM IBM i(AS/400)専門メディア「i Magazine, IS magazine 」webサイトでも日本サニパック様の事例が掲載されております。こちらからご覧ください。